2007/07/09

壊れた扉から




CDを買った。初めて聴いたのは発売直後、まだアナログレコードだった、確か高校2年の冬、2月だったと思う。貸しレコード屋で借りて、返すために学校にもってったら何借りたの?と聞かれてオザキといったらオザキっていいか?とちょっと小ばかにされたが俺はこのアルバムが大好きで、ダビングしたテープを死ぬほど聴いた。回帰線はいいと言った兄貴もこのアルバムはなんか気に入らなかったようでとくに最後のほうでオザキがしゃべるのが気に食わなかったらしいが俺はそんなことまったく気にせずに尾崎はいいなあと聴いていたものだ。

それからしばらくして、俺はそのテープを捨ててしまった。尾崎だけでなく、貸しレコード屋で借りてダビングした数々の名作をみんな、捨ててしまった。
それからしばらく尾崎を聴く事はなかったのだが、死んで半年くらいたった頃、耐え切れずに貸しレコード屋で、今度はCDだった、扉と、バイブルを借りた。そのときなぜか買ってもいないのにカセットテープを2巻つけてくれた。俺は何も言わずだまってそれを受け取って、録音して、また擦り切れるほど、音が片方のスピーカーだけ一部消えるくらい、聴いた。

そのテープをMDに録音したものは今でも持っている。もう一枚MDがあって、それは擦り切れてしまったテープ音源はあんまりだからと近所の貸しレコード屋でCDを借りて録音したものである。だから私は扉を録音したMDを2枚持っているというわけだ。

このアルバムは、路上のルール、forget-me-not、彼、という彼の作品の中でも指折りの傑作がならぶものすごいアルバムであり、特にレコードではひっくり返した最初の曲であるFreeze moonは、尾崎の最高傑作であると、わたしは思っている。