2007/10/19

家族ゲーム

当時かなり話題になった映画。当時学園ドラマといって学校生活をドラマにすることがはやっていたのでそのパロディみたいなものなのだろうが、当時はよく理解できなかった。と言っても見たのはテレビ放送で、重要なシーンがカットされていたが。全部見たのは今回が初めてであるが、とてもよかった。受験と学校と家族というもののけだるさ、やりきれなさがよく出ている。あの頃の少年は大部分あんなふうに無気力なものだ。彼の担任役の教師が非常にいい味を出していた。ジャージをだらしなく着て、つまらなそうにしている。加藤善博という人で、ついこないだ亡くなったことを知った。この映画を放送したのはそのためだったのかもしれない。松田優作、伊丹十三。由紀さおりはなんてことのない普通のお母さんを演じているのだが、この透明なキャラクターが例によってこの作品を支える透明だが太い柱となっている。

2007/10/18

主人公

主人公は無性格で凡人の方が良いという事について。あらためていろんな作品を見回してみるとほとんどの主人公がそうであることに気づく。逆に主人公が異常であるほうが珍しい。真っ先に思いつくのが「人間失格」である。この作品は特に若者に衝撃を与える有名な作品で、
最近漱石の「こころ」をぬいて新潮文庫の売り上げトップになったという。
人間を失格するくらいの男なので普通ではない。

主人公が異常者と言えば「仮面の告白」である。この主人公に共感を覚える人はそういないだろう。しかし彼は異常人ではあっても常識と平凡であることがどういうことかを理解していてそれを装う事ができた。でもやはり彼の異常さは作品を破綻させるよう働き、結局は人生も破綻させた。「潮騒」はうまく彼の異常性を隠し通すことに成功した数少ない作品であるがそれが彼の本当の姿、本当に彼が書きたかったものでないと言うことは本人が告白している。

最後の大作でも、平凡な男であるはずの本多が覗きで捕まるというマンガのような転落をする。「豊穣の海」は、1・2巻までは傑作だが3巻で疑問符が付き、4巻は悲惨なまでに破綻している。そのためにこの作品は絶対に傑作とは呼べない。「豊穣の海」を傑作だと言う人は4巻を読んでないだろう。

三島由紀夫という男は太宰とは正反対のようで似ているのかもしれない。三島は45歳、太宰は39歳で死んだ。もう俺も彼らの人生と同じくらい生きてしまったのだ。だからそろそろ彼らの作品を批判するような事を書いてもいいだろう。この年で彼らはすばらしいと賛美しているほうが気持ち悪い。

結局、三島由紀夫は文学に愛想がつきたのではなかったか。所詮文学なんて覗きじゃないかと。行動しなければ意味がない、と。よく「本を読め」「最近の若者は本を読まない」言われるが、それはどういう本なんだろう?「人間失格」、「こころ」、「金閣寺」、どれも陰惨な後味の悪い作品である。私はたいした読書家ではないが、いわゆる名作文学にまともなものにお目にかかったことがない。私は喜劇や悲劇を否定したというソクラテスにおおいに共感する。ソクラテスもそれらが好きだったのだが、そのうえで否定して知を愛する人となったのである。


2007/10/16

FIRE AND GASOLINE

Steve Jonesの2枚目のソロアルバム。

1990年か1991かその頃の作品だと思う。MERCYが傑作だったので楽しみにしていた。池袋のTOWER RECORDだったかな?河合塾の近くの店、で買った。確かPeteの Iron manが出た頃だったと思う。ジャケットデザインからしてちょっとおかしい。なんせドクロだから。しかもバックが炎。聴いてみるとMercyの頃のSteveはどこいったんだという雰囲気。同一人物とは思えない。でもそういう裏切りをするところはDylanと同様、魅力でもある。Steveは過小評価されたギタリストだよ。

GOD IN LOUISIANA 
On the fortieth floor of heaven
In the executive penthouse suite
Sat the commander in chief
And creator of the planet and galaxies 
With a map of Louisiana
A file of photos and facts
He said look what these people
Have done in my name
It's a sin the way some of them act 
God was talking to Peter
God was talking to Paul
God was talking to Jesus
But God isn't talking to some of these people at all 
I offer them peace, they want vengeance
I offer them faith, they want power
I offer them mercy not money
I offer them hope they complain by the hour 
They poison themselves with their judgement
They flatter themselves with their pride
I give them the truth that could set them all free
They build up cathedrals in which they can hide 
If you do it to one of these you do it to me
If you give it to one of these you give it to me
If you spit upon one of these you spit upon me
If you rip off, lie to, hit on, I'll tell you
You might as well do it to me yeah yeah yeah

すばらしいゴスペル。



2007/10/04

happy?




2007/10/04(Thu) 23:32

Public Image Limitedの、何枚目だろう?これもまだアナログレコードの時で、借りてカセットテープにダビングしたものである。死ぬほど聴いた。PILのなかでは回数では一番聴いたのは間違いない。最高傑作といっても過言ではない。