2008/03/29

影武者

影武者 1980 黒澤明監督

この映画は家族5人で映画館に見に行った。わたしは小学生だった。よくわからなかったがなんかかわいそうだった、みたいな事を当時書くことを義務付けられていた日記に書いたのを覚えている。後にも先にも家族5人で映画を見たことなどない。

・・・・クロサワ映画は嫌いである。やっぱり好きになれない。確かに壮大なロケをよく敢行したなとは思う。衣装もきれいだし、大河ドラマなどにはないリアリティや迫力である。しかし、どうしても入り込めない。クロサワ映画を見ていていつも気になるのが、集団演技のわざとらしさである。驚いたり、顔を見合わせたり、笑ったり、それがいかにもそうすることを指示されているのが丸出しの、マスゲームか何かを見ているようである。

あと全体的に画面が暗くてよくわからない。セリフもだみ声でどなるようなのが多くて聞き取りにくい。最後の勝頼軍が惨敗した後の馬や兵隊がのたうちまわるシーンがしつこい。

ほめるところがあるとするなら、用無しになったあとの影武者の末路である。信玄としては勝新のほうが適役だったかもしれないが、あの情けない感じは仲代達也のほうがよかったのではないだろうか。信長役はカッコよかった。ショーケンも、短気で無謀で嫉妬深い勝頼に似合っていた。本当の勝頼がどうだったのかは知らないが。ショーケンも乗馬を習ったんだね。大滝秀治も?

そもそもわたしは戦国時代というものがまったく理解できない。信長秀吉家康とかいう人たちが、武田信玄とかが、いったいなんなのか、理解できない。彼らは政治家というよりもむしろ暴走族やヤクザに近かったのではないだろうか。本当にあんなカッコをして、あんな言葉遣いをして、あんなところに住んでいたのだろうか。どんなクスリをやっていたのだろうか。

根津ジンパチを久しぶりに見た。最近見ないと思ったらいろいろあって大変だったようだ。ショーケンもいろいろ、ありすぎるくらいにあった。勝新も。でもやっぱりショーケンはカッコいいな。時代劇にはちょっと華奢な感じだけど、ああいう人もきっといたはずだ。

徳川家康はちょっと・・・。ただの小太りなオッサンだし。

2008/03/26

ヤクザ映画

私はヤクザ映画好きなんですよね。無鉄砲なチンピラが無駄に死んでいくような話が。具体的にあげろっていうとアレですけど。一時期安藤昇の映画を見てましたね。今は見たくてもレンタルビデオ屋が近くにないんでね。武の「Brother」とかもいいですね。「チンピラ」っていう、ジョニー大倉と柴田恭平がやってた映画、あれも好きでしたね。「竜二」とかはちょっとかっこよすぎですね。「からっ風野郎」っていう三島由紀夫が出てるのも見てみたい。「スタア」っていう短編は大好きです。

2008/03/25

フィツジェラルド 「グレート・ギャツビー」

「グレート・ギャツビー」 The Great Gatsby, 1925 フィツジェラルド著、野崎孝訳 新潮文庫

昨日映画を観て駄作だと思ったのだが原作は村上春樹をはじめとして絶賛されているので読んでみた。
映画と違って小説ではギャツビーは滑稽でもあるが愛すべきかわいそうなヤツとして愛情をもって描かれている。
Greatというのも皮肉ではない。それは太宰が「人間失格」で葉蔵をダメ人間として描きながらも、
神様みたいないい人だったと言わせているのと同じようなものである。
感動はしない。理解しがたい。描写が詳しすぎるというか、おそらく現実のエピソードに近いのであろう。
ただ、私が今まで触れてきた小説や映画などにはない、苦さというか、複雑さというか、現実に近いというか、そういうものは新鮮だった。

2008/03/22

華麗なるギャッツビー The Great Gatsby



名前だけはなぜかいやというほど聞いたことがある。たしがギャツビーと言う名前の男性化粧品もあって、CMをよくやっていた。
movie+でやっていたので録画しておいた。あまり見る気にはならなかったがvistaの再インストール+SP1適用をする合間に見てみた。わたしは映画でもテレビでも本でも、ぱっと見の印象でどうしても受け付けないことがあるが、この映画は受け付けない雰囲気に満ちていた。しかしscreenplayがコッポラだったし、このスレのネタにと思って我慢して見てみようかと思った。ギャツビーが出てくるまでの俳優女優陣の魅力のないこと。ロバートレッドフォード以外はしょうもない役者ばかりである。今1時間半くらい経過しているがわたしの心は微動だにしていない。いったいどういう人間が、どういう人間のために作って、どういう人間が何を求めて見る映画なのか、まったく理解できない。登場人物の誰にも感情移入できない。絵もクローズアップが多くて安っぽいテレビドラマのようである。噴飯物といっても過言ではない。最後の交通事故からギャッツビーが殺されるあたりはもう滅茶苦茶で、結局最後は金持ち批判かよというくだらない映画である。星はマイナス100個!!

何がダメなのだろうか?語り手的な存在であるニックのせいではないかと思う。彼は透明な中立的な凡庸な人間なのだが、あまりにも客観的すぎる。彼に魅力がなさ過ぎるのでゴシップ記事を読んでいるような気分にさせられるのだ。

ギャツビーに対してあまりに私が批判的なのを怪しむ人がいるかもしれない。実はこの作品の原作は、私が尊敬するある人がけなしていたのだ。だから有名ではあっても今まで手をつけずに、つけられずにいたのだ。その有名な人とはJDサリンジャーである・・・と思い込んでいたのだがそれは大間違いで彼(ホールデン)も大好きだといっている。

でも、ホールデンではないにしても、だれかがギャツビーなんか、とけなしていたのは記憶にあったのだが、・・・思い出した。Dylanだ。

You've been with the professors
And they've all liked your looks
With great lawyers you have
Discussed lepers and crooks
You've been through all of
F. Scott Fitzgerald's books
You're very well read
It's well known

・・・でもこれも別にけなしてはいないのかな?

いろんなレビューなどを読んでいると映画が駄作だという人は多いが、原作のほうは誰もが認める名作といってよいようである。野崎孝と村上春樹という二人がライ麦とともに訳しているところを見ると、何か共通点があるのだろう。


駅から家に歩いて帰るときに考えた。ライ麦と、ギャツビーと、村上春樹の共通点を。みんな、浮かれた時代をすごした繊細なお坊ちゃん達じゃないのかと。ライ麦は終戦後だけど、戦勝国だから結構浮かれてたんじゃないか。尾崎豊もライ麦に感激したようで何かのPVに出てきた。彼もバブル期の人間である。

そして太宰治もそうなのではないか、と考えたのだが、彼はまた特殊に思える。私は彼は単なる感傷的な青年などではなく、もっと恐ろしい、暗い、悪意を持っていたように思う。生きた時代も浮かれていたどころかもっとも厳しくつらい時代だった。戦争中なのに酒と薬におぼれて作家などやっているなんてまともな神経じゃない。こう見てくると、やっぱり時代なんか関係ないのかなと思えてくる。太宰みたいな人間が実は普遍的なのではということは以前も書いた。

村上春樹については、ノーベル賞かとまで騒がれている作家であるのに、恥ずかしながら一冊も読んだことがない。買おうかなと彼のコーナー(もちろん文庫の)までは何度もいったことがあるが、タイトルをながめて、手にとって最初の1ページを読んでみても、どうしても読もうという気にならないのである。ノルウェイの森はあまりに有名なのでまず読むならこれかな、と思うのだが残念なことに上下に分かれている。私は複数冊にわかれた文庫本を買うのは非常に抵抗がある。本なんか1冊にまとまっていないと、うんざりしてしまう。カラマーゾフとか、白鯨とかは壮大なので気合を入れて全部かって読むぞ、と読んだが、村上春樹はなんだか軽薄で軟弱そうなのでそこまでして読むほどのものではないかな、と思ってしまう。ねじ巻き鳥クロニクルとか海辺のカフカとかいうタイトルも、激しく読む気を誘わない。

繰り返すがまったく読んでいないので私には彼のことを批判する資格はない。軽薄・軟弱とかいうのも、私の先入観にすぎない。ギャツビーもなんどか開いて読んでみようかなと思ったことがないではないが、冒頭だけ読んでどうも文体が鼻につく。

とりあえず帰り道に本屋へ寄って、野崎孝訳の文庫を買ってきた。青空文庫でも読めるのだが、やっぱり本は縦書きで紙に印刷したものでないと。

2008/03/18

30 years maximum R&B

The Who のvideoで、30years maximum R&Bとかなんとかいう、ライブ映像集がある。まだビデオだった頃に買ってすぐに売ってしまったのだが、見たくてしょうがない。まず一番見たいのが、Peteのインタビューである。多分2000年頃のものだ。一番最後に、whoっていうのはうるさくてヘタでどうしようもないバンドだったが、オーディエンスもそれを好んだのさ、と吐き捨てるように言う。字幕がなかったので正確な意味はわからないがそんな自嘲的な感じだった。あとは、解散間近のライブでsister discoかなんかをやっている時に、ロジャーがPeteに近づいていくと、Peteがものすごい形相で、あきらかにこっちに来るなという意思表示をしているところとか。あと、全般的にPeteが非常に高く、頻繁にジャンプしている映像が収められている。DVD化はされなかったようで、アマゾンで探しても出てこない。


VHSテープをオークションで入手した。やはりいい作品である。Peteはデビュー間もないころも、解散して60歳くらいになったときも、同じようなことを話している。
TheWhoは音楽的にはけっして上質ではない。むしろ汚くて下劣であると。しかし、聴衆は決して上質なキレイな音楽だけを求めているのではないと。Peteは自虐的に皮肉っぽく発言しているけれど、それは実はThe Whoの素晴らしさ、偉大さ、単なるキレイな耳障りのいいだけの音楽をやっているんじゃない、ということを言っているのである。

「悪い音の方が観客を刺激する」

2008/03/11

OZAKI 東京ドーム

1988年9月のドームでのライブはビデオになって発売された。そのテープはレンタルで見たが、そんなにいいものとは思わなかった。それから彼がなくなって10年たったときに、NHKで彼のライブ映像特集が放映された。それを録画して編集してDVDに保存してあたものを久しぶりに見た。

圧巻は東京ドームでの「猫」である。どうしてこれがビデオに収録されていなかったのか、理解に苦しむ。編集したやつは頭がおかしいのではないか。尾崎の映像にはそういうものが多い。彼の独特のオーラが周囲を狂わせるのだろうか。

そして、ピアノだけの伴奏で歌う「街路樹」ではピアノがミスする。これはビデオにも収録されていたと思う。尾崎は途中でミスに気づき、歌うのをやめてしまう。応援するような歓声が起こり、何事もなかったようにまた歌い続けるシーンがある。尾崎は怒るでもなく、動揺するでもなく、まるで演出ででもあったかのようにふるまうのである。涙が出そうになる。

論語

論語・・・あまりに有名だが、なんだか言い古された月並みなお説教のようなイメージを持っている人が多いだろう。私は儒教的な考えが基本的には好きであり、そうありたいと思っているが、男として、あるいは技術者として、あるいはビジネスマンとしては、論語の教えは物足りないような無力なような気がしていた。しかし最近になって、自分の心がすさんでくるのを感じると、論語をもう一度読み直さないといけないのではと思った。といっても論語なんか全部は読んだこともないのだが。

剛毅木訥近仁

巧言令色鮮矣仁

これらは私の基本ポリシーである。

君子豹変、小人革面

論語を探してもないとおもったら、これは易経の言葉だそうである。

これも好きな言葉

至於犬馬、皆能有養、不敬何以別


鞠躬如と言う言葉はたまに聞くが意味はよく知らなかった。調べて見ると身体を鞠のように丸くして、門をくぐった、つまり遠慮がちにつつましく通る、という意味のようだ。すっかり忘れていることである。

そういえば敬愛するjohn rydenが孔子はロクでもないやつだ、とどっかで言ってたな。

論語を読んでいると、恥ずかしくなってくる。いつの間にか私は「小人」になって、利ばかり求めて、謙虚さややさしさや思いやりを忘れてしまった。孔子のいっていることなんかたいしたことじゃないと思っていたけど、改めて読み直してみると、いったい何者なんだろうと不思議になるくらい、異常なまでの常識人だ。確か論語にもそういう記述があったと思う。


2008/03/03

Angus Young

録画したまま見ないでたまっていたベストヒットUSAを見ていた。5週分くらい見て、2箇所、じっくり見た。ひとつはスザンヌベガのインタビューと新曲である。彼女は大好きなのだが、デビュー後数年で才能が枯れてしまったように思う。

そしてもうひとつがAC/DCである。AC/DCを見るのは初めてではない。アルバムも2枚くらい聴いた。1枚は有名なback in blackであるが、正直よさがわからなかった。もう1枚はカセットテープで、let there be rockが入っている。今回ベストヒットUSAでやった曲だ。

angus youngという人はよくわからない人だ。まず、顔がよくわからない。無個性・無表情な顔であるうえ、終始アタマを振っているから全然見えない。おなじみの超高速ダックウォークも改めてみると大した運動量である。このビデオは上半身裸であったが、アスリートのような体である。

AC/DCを聴こうと思ったきっかけは、たしかguns'n rosesが、俺達は weak AC/DCだなんて言われてるけど、俺にとってAC/DCといえばwhole lotta rosieなんだ、といってカバーしていたのを聴いたことである。

懐かしい・・・。AC/DCのライブの動画がみたくなって、youtubeを探して whole lotta rosieを見つけた。ものすごく激しく弾いているが、もしかしてものすごい簡単なフレーズではないかと思って、タブを探したり弾いてみたりしたら案の定簡単であった。ソロはのぞいて。

しかし、何かが違う。スピードとか音量だけでなく、多分「間」だと思う。

2008/03/02

Roxette

一時期心酔していた。Dangerousを聴くと必ずあそこでhand clapをしてしまう。

Macで作ったみたいなリズムとベースの音、Smalltalkとか、Vulnerableとか、絶対そのスジの人だ。ただ、売れはしたが一時的なブームという感じで、周囲にも好きだという人はあまりいなかった。といっても周囲には誰もいなかったが・・・。いくつかの曲はprinceをパクったのではと疑っていたがどれがどれだか忘れてしまった。