2008/04/28

ジョルジュ・バタイユ 「文学と悪」

私はバタイユの「文学と悪」という評論集を持っている。文庫本のクセに1300円くらいする。バタイユは三島から興味を持ったのであるが、いまだに彼の書いたものがよく理解できない。「文学と悪」についてはボードレールとかウィリアムブレイクとかについて書いている。そして文学というのは悪を描くもので、少年時代である、などというちょっと興味をひかれることを言っていて、つまりは彼も文学が「すばらしい」ものではないということを言いたいのだと、そこは共感するのだが、やっぱり今ひとつ理解できない。この本で最初に取り上げられている作家はエミリ・ブロンテである。「嵐が丘」を書いた女で、30歳くらいで死んでしまったらしい。そしてこの作品が、とんでもない悪を描いているというのだ。「嵐が丘」は松田優作も出た映画になったりもしていた。読んでみたが、途中でやめてしまった。共感できないからだろう。暗くて激しい作品のようだが、どうしても入り込めなかった。今日、もう一度読んでみようと思ったが本が見つからない。捨ててしまったか?