読書すればするほど、人はその人らしくなっていく。
つまり読書というのは見聞を広め、疑似体験をして、古今東西の偉人と対話をして教養を深めて幅広い人格を養う結構なものである、ということに対する、イヤミである。
だって、自分を否定するような本は読めないでしょう?
自分の考えていることを、肯定してくれるような本だけを、人は読むんです。
そして、自分の考えは間違ってなかった、あの人もそういっていた、と安心するんです。
そうやって、読書によって、人は自分らしさに磨きをかけるだけであり、
クソッタレは博識なクソッタレになり、やさしい人は博識なやさしい人になり、
陰険な人は博識な陰険な人になる、それだけである。