2010/03/28

Bob Dylan Live at Zepp Tokyo 2010/03/28


ボブディランのライブを見るのは4回目である。最初は確か1994の武道館。あまりよくなかった。
その次が確か2001年。パシフィコ横浜と武道館に行った。これはよかった。

そして今年、スタンディングのホールでのライブとなった。本人がそういう会場を望んだと聞く。
私は高校生のときからDylanを聴きはじめ、アルバムはほとんど全部聴いている。聴いていないのはベストとかライブの一部だけだ。かなりのディラン通だと自負している。

今年は今までになくネットでの前評判がいやというほど入ってきていて、それがどれもこれも絶賛だった。そんなものはアテにはならないとはいえ、この絶賛振りは尋常ではない。期待が高まった。チケットは先行発売を逃して、正規発売日を待ってパソコンの前で準備していたが一瞬のうちに売切れてしまったので、Yahooオークションで手に入れた。定価よりちょっと高いくらいだったのは、場所があまりよくないからだったのは当日わかった。

zepp Tokyoは初めてだ。スタンディングとはどういうものなのか、まったく予想がつかなかったが、思ったよりも整然としていた。手すりのようなものがあって、区切られている。押し合いへしあいということもなく、満員電車よりちょっと空いてるくらいの感じだ。入場し終わったが開演まで40分くらいある。そのまま棒立ちで開演を待つ。

すでにiPhoneは電源を落としている。読むものも何も無く、ただつったって会場を見まわして待つ。年齢層は30代くらいが多かっただろうか。女性は少ない。目の前に白人と日本人女性のカップルがいて、どうしてもその女性をジロジロ見てしまう。会場には音楽が流れていたがそのうちラジオのDJのようなシャベリが流れ始めた。会場はこじんまりしている。もちろん武道館よりは狭い。ディファ有明と大きさや雰囲気が似ているように感じた。見上げると二階にも席がある。両脇にせり出したところに座っている人たちがいる。かなりのVIP席だ。どんな人が座っているのだろう・・・。5時になった。2階から英語でなにか叫び、拍手をする人がいる。まだか・・・

10分くらいすぎていただろうか、流れていたDJが途切れ、ちょっとおどろおどろしい音楽がながれ、場内が暗くなり、歓声があがった。明るくなるやいなや演奏が始まる。

Gonna change my way of thinkingだ。意表をつかれた。バンドメンバーはみな黒っぽい服を着ている。ステージ中央にいたのはDylan ではなくチャーリーセクストンだ。ディランはステージ右側にいて、カーボーイハットのような帽子をかぶってキーボードの前に立っている。音がでかい。ディランの声も割れている。一言で言うと、「ワルい」感じだ。クールさはない。会場もゆれている。さすがスタンディングだ。

2曲目は Love minus zero no limit。以後、苦い曲と甘い曲が交互に演奏されていった。うれしかったのが simple twist of fate。" Blame it on a simple twist of fate " という歌詞で涙が出た。そして shelter from the storm, Trying to get to heaven でまた涙が出た。

MCはまったくない。アンコール前の最後の曲(Ballad of a thin man) の前に、メンバー紹介をするだけである。アンコールの曲も決まっている。最後の曲はツアー途中からall along the watchtower から Blowing in the wind に変わった。日本人にはメロディアスで感傷的な曲のほうが受けるのだろう。セットリストも日が経つにつれてそういう傾向になっていったように感じた。

今まで見たDylanのライブでは一番盛り上がったし、一番よかった。本人がノリノリだった。印象に残ったのがチャーリーセクストンが目立っていたことだ。ステージの中央に立ち、ディランとソロを掛け合ったりしていた。ディランはボーカリストというより、バンドの指揮者というか、プロデューサーのような存在だった。これが最後の来日かなと思っていたが、まだまだ現役バリバリでいけると感じた。まさにnever ending tourだ。

とか言っていたら最終日の今日、Forever youngをやって、セカンドアンコールまでやったそうだ・・・。まあ、最終日だからな・・・・それくらいやるだろうな、昨日の様子からして当然だ。