2013/01/21

センター試験をやってみた

「詳説 世界史 B」とZ会問題集アプリで結構勉強したので力試しにセンター試験をやってみた。世界史Bは64点だった。7割はいける、あわよくば8割くらい、それくらいだったら大学受験してみようかと思っていたがそう甘くはなかった。でも代ゼミの予想平均点は61点なので、まあよしとしよう。確か現役のときは平均を下回っていた。

ついでに他の科目もやってみた(カッコ内は代ゼミの予想平均点)。

英語 180 (122)、国語 113 (107)、数学(数I・数A)  22 (57)、生物 37 (66)、世界史 64 (61)

英語と国語は10分くらい時間をオーバーしている。理科社会は2科目ずつやるのか?今日はつかれたのであしたにする。英語はすばらしい。TOEICよりやや易しいくらいの難度か。国語は得意科目だったのにショックだ。古文がほとんどチンプンカンプン、漢文もすっと読めない。数学、生物がひどいがまあ仕方ないか。生物は現役のとき選択した科目で8割はとれたのだが、これもほとんどチンプンカンプンだった。

2013/01/17

詳説 世界史 B

高校の世界史の教科書である。私は高校時代受験科目に世界史を選択したが成績はよくなかった。しばらく前に買ってあった山川出版の「詳説 世界史B」を、iPhoneアプリのZ会問題集をときながらとりあえず全部読んだ。アンリ4世とかジェームズ1世とかシャルル何世とか、こんなこと覚えてどうするんだ、というのは受験生だったときと同じ感想である。

あらためて感じたことは「朝(王朝)」というものの重要性である。要は、血統のことである。それが、ほとんど国名と同様の意味を持っていた。ただそれは昔の話で、次第に王というものは廃されていき、多くの国は「共和国」となっていった。「教科書史観」では、それが当然の流れ、王政というのは古い制度とみなしているところがあり、また歴史を専門としていない一般の人にもそういう認識があるだろう。イギリスやフランスで起こった革命はすばらしいことである、という。

私はフランス革命とかナポレオンとかアメリカ独立というところではあまり心が躍らない。私は西アジアとかモンゴルあたりのそれほど大きくない得体の知れない国々の興亡のあたりがわくわくする。勉強のために覚えるには厄介なところだが。

アメリカと日本は普通「共和制」とはいわないが、広義には共和制と言ってもいいのではないだろうか。要するに「王様のいない国」である。日本の天皇はもはや王様ではない。

こないだ読んだ聖書に関する記述は、モーセ、ダヴィデ、イエス、パウロ、ペテロくらい、合計で10行くらいだろうか。

「戦争と平和」に関連するのはアウステルリッツの戦い、三帝同盟、アレクサンドル1世など、5行くらいかな。


1、2週間くらいしか読んでないのにボロボロになった。

情報量はどれくらいなのか。字はけっこう大きい。
1ページ26行x33文字、355ページ、30万4590字だが、図や写真などが多いので8割くらいとして約24万字。

私の持っている文庫本で同じくらいの字数のものを探してみたら、三島由紀夫の「春の雪」が概算で31万字だった。「世界史の教科書なんか読んでらんない」と思っている人も、文庫本1冊程度の情報量であると考えると、たいしたことはないと思えるのではないか?





2013/01/09

Bob Dylan "Idiot Wind"



Someone’s got it in for me, they’re planting stories in the press
Whoever it is I wish they’d cut it out but when they will I can only guess
They say I shot a man named Gray and took his wife to Italy
She inherited a million bucks and when she died it came to me
I can’t help it if I’m lucky 
People see me all the time and they just can’t remember how to act
Their minds are filled with big ideas, images and distorted facts
Even you, yesterday you had to ask me where it was at
I couldn’t believe after all these years, you didn’t know me better than that
Sweet lady 
Idiot wind, blowing every time you move your mouth
Blowing down the backroads headin’ south
Idiot wind, blowing every time you move your teeth
You’re an idiot, babe
It’s a wonder that you still know how to breathe


ボブ・ディランの曲です。

BLOOD ON THE TRACKS に入っています。

このアルバムは傑作とされていて、最高傑作とする声も多いです。

私も傑作とは思いますが、最高傑作には絶対に選ばないですね。


ただ、ブートレッグシリーズという、3枚組みのCDが発売されて、そこにこのアルバムの発売直前に差し替えられたという別テイクの曲がいくつか入っていたのですがそれがすばらしく、もし差し替えられていなかったら最高傑作になっていたかもしれません。

Idiot Windの別テイクもありました。聴いてない方はぜひ聴いてください。


さて、この Idiot Windという曲ですが、あらためて歌詞を読んでみると不可解な詩です。

まず、"Idiot Wind" という言い方を、この曲以外に聴いたことがありません。

でも、ディランは女に対して冷たく突っぱねるような曲をよく書いています。

It Ain't Me, Babe

I don't Believe in You

Like a Rolling Stone

など。


Idiot Windも、この手の曲か、と聴いていたのですが、それにしても、

"Idiot wind, blowing every time you move your mouth"

"Idot wind, blowing every time you move your teeth"

というと、私は「口臭」を連想してしまいます。



ディランは、"Idiot Wind"という言葉をどういう時に思いついたのか。

私は女がくだらない事、知性のかけらもないことをしゃべったときに、口臭を嗅いだのではないか?
と思いました。


もちろん、歌詞に「臭い」とは書いていませんが、

mouth, teeth, breath ときて、idiot wind と来たら、これは「口臭」のことだ、と考えるのは至極当然のことではないでしょうか?







2013/01/07

泉鏡花 「義血侠血」

泉鏡花は夏目漱石より後に生まれているが、その文章を読むと漱石より古い世代の人かと思ってしまう。私にとって漱石の世界は「現代」に含まれている。それを現代と呼ぶのか近代と呼ぶのかはともかくとして、漱石以前の作家は「昔の作家」だ。

泉鏡花の作品は短編で、ストーリーの起伏が大きく、劇的である。夏目漱石の作品のように、主人公があれこれ考えるが結局何もしないのとは対照的である。

漱石はおそらくあまりに作り話っぽい書き方がイヤだったのだろう。

泉鏡花の作品の特徴が彼の特徴なのか、それともこの時代は多かれ少なかれそうだったのかは他の作品を読んでいないのでよくわからない。

登場人物が江戸弁で会話するのが心地よい。

「虚言(うそ)と坊主の髪(あたま)はいツた事はありません。」

「吉公、手前(てめえ)また腕車(くるま)より疾(はえ)えといつたな。」

「応(ああ)、言った。でもさう言はねえと乗らねえもの。」

とか。


泉鏡花の文体は古臭く文語体に近いのだが、内容が過激で陰惨さや不気味さをもっているところは現代的といえるかもしれない。

「義血侠血」は、ある男が偶然であった女にあることがきっかけで金を援助してもらって学校へ行って出世する話かと思ったら予想外の事態となって最後は悲劇的な結末を迎える。


同じ本に収められている「夜行巡査」「外科室」という作品も、血や死が描かれる、強烈な作品である。

しかし主人公の行動原理は高潔であり、卑怯ではないので、暗い気持ちにはならない。


2013/01/03

ヨイトマケの唄

今年は紅白歌合戦をラジオで聴いた。最初から最後まで。紅白を全部通したのはおそらく生まれて初めてである。今回私が注目したのは、矢沢永吉、三輪明宏、斉藤和義などである。注目はしていなかったが気になったのはきゃりーぱみゅぱみゅと、途中で西田敏行らが歌った歌、あとはYUIかな。それから、赤組司会の堀北真希の声がよかった。

三輪明宏は「ヨイトマケの唄」を歌った。この唄に感動したという声をインターネットの諸サイトでちらほら見たが、私はこの唄のよさがわからない。

いいと言う人は歌詞の内容に感動するようである。歌詞の内容は一言で言うと「労働賛歌」である。しかもこの唄は「土方」という言葉により差別問題も扱っており、さらに、その「土方」仕事をしていたのは父ではなく母である。母子家庭だったのだろうか。

バカにされながらも母の働く姿に感動した子は、「勉強しよう」と決意し、大学を出てエンジニアとなる。彼は自分の人生を「成功」だと考えているようである。

そのことはもちろん悪いことではない。しかし、私には少し引っかかるものがある。

この男は、「俺は土方仕事なんか嫌だ、バカにされたくないから一生懸命勉強して大学を出てエンジニアになるんだ」という気持ちがあったのではないか。

私は「土方」が差別される理由がよくわからない。私に言わせれば机に座って汗ひとつかかず不毛な会議や書類のやりとりをしている「ホワイトカラー」とか「管理職」と呼ばれる人々の方がよっぽど卑しいと思う。

「土方はイヤだから勉強してホワイトカラーになる」というのは賢明な考えではあろうが、美しく感動的なものではなく、私から見れば卑しいとさえ感じる。

この男が母に感じているのは、「土方のようなみっともない仕事をして、バカにされながら私を育ててくれてありがとう、僕はあなたみたいな人間にならずに済むように大学へ行って出世します」ということだ。

私はその学問観にも疑問を感じる。

学問というものは、各個人の生活の糧を得るためのものではない。学問の目的はそんなことではなくて、人類全体への貢献を目指すものである。「土方にならないように大学へ行く」などという動機は卑小極まりない。

私は努力や自己研鑽を否定するのではない。

だが、それらの目的が単に「グレずにまともな人間になって安楽な生活をする」という、ごく個人的な利己的なものであることに幻滅を感じるのである。

007 スカイフォール

新宿ミラノ3にて。007シリーズを見るのは初めてである。

監督のサム・メンデスは名前はどっかで聞いたことがあるなというくらいで他の作品を見たことはない。出演者も誰も知らない。

なんで007が戦っているのかよくわからない。

登場人物の年齢層が高い。

ただ、画面はどぎつくなく、CGは使われていたかもしれないがそんなに大仰なものはなく、登場人物達が大声で怒鳴りあったりすることもなく、比較的淡々とした映画なので落ち着いて見ていられた。

主要キャラクターの一人、いってみれば「悪役」「敵役」ということになる男の不気味さ、醜さが少し後を引く。

スカイフォールというのは実在する地名なのか?

荒野の中の大きな屋敷というのは、先日半分くらい読んだ「嵐が丘」を思い出させた。

この映画もやや暗い映画だ。

「ボンドガール」が出てきても全然ときめかない。

でも、その淡々とした感じがよかった。

敵役をもっと凡庸な悪人にしてしまい、上司?の女性も死なないようにして欲しかったくらいだ。

そうしてしまったら退屈すぎるか。