Princeって、Bob Dylanに似ているところがある。
一般的にはこの二人は全然違うジャンルのミュージシャンで、どちらかが好きな人はもう一方をあまり好きでないのではないだろうか。
具体的にどのアルバムがとかどの曲がとか、ということは言えないのだが、何度か、プリンスとディランって共通点があるなあ、と思ったことがある。
Dylanの Knocked out loaded というアルバムの、 Driftin' too far from shore という曲があるのだが、そこでキーボードの印象的なリフが演奏されている。
私はこの曲が気に入っていた。カッカッカッ、チャチャチャ! というシンプルなイントロで始まる。
そのチャチャチャ!というのがシンセサイザーで弾かれているのだが、これを弾いているのはボブディランである。そして、そのリフは、プリンスの When doves cryを聴いて思いついたそうである。
ディランとプリンスの接点として、自分の感覚以外で知っていることはこれだけである。
私は高校生の頃、貸しレコード屋でレコードを借りることをささやかな趣味としていた。
借りるのはほとんどが洋楽だった。
当時、テレビでベストヒットUSAという番組が土曜の夜に放送されていた。
私は子供の頃はラジオでランキングの番組、当時は「ベストテン」と呼ばれていた、をよく聴いていたが、中学生になった頃から洋楽を聴くようになった。
私が高校生になった頃、プリンスは商業的にもっとも成功していた時期だった。
私はプリンスはあまり好きではなかったのだが、大ヒットしていたので、とりあえず聴いてみようと思って、貸しレコード屋で 1999 を借りた。
90分テープに録音して、何度か聴いた。
なんだか気持ちが悪いな、と思っただけで、特にいいとは思わなかった。
だがその後、Parade, around the world in a day, sign o'the times などを借りたり買ったりして、プリンスの主要作はだいたい聴いてきた。
そして今。初めてプリンスを聴いてから30年近く経った。
iPhoneには彼のアルバムがほぼ全部入っている。
今聴くと、1999は大傑作だと思う。
私はどんなミュージシャンでも、初めて聴いたアルバムがほとんど全部最高傑作になってしまうのだが、1999もそうである。
多分、最初に聴くときは世間で評判がいいものを選ぶからそうなるのだろう。
もうひとつは sign o'the times である。これは発売直後に何度も繰り返し聴いた。
そして、プリンスはギタリストとしても非凡である。
それから、ライブがいいミュージシャンである。
見た目はゲイっぽいのだが、そして私はずっとゲイだと思いこんでいたのだが、そのケはないようだ。
それどころか、同性の結婚について否定的なコメントをしてさえいる。