2004/08/14

アイズワイドシャット

座頭市
シティオブゴッド
キルビル
アレックス
アイズワイドシャット

アレックス以外は全部よかった。アレックスもモニカはよかった。
モニカがよかったといってもその体がよかったという低級なよかっただけど。
よかったといっても退屈はしなかった、くらいの意味だね。
なかでもやはりすごいなと感心したのはキューブリックだ。
キューブリックの映画のよさというか不思議な魅力は、
何気ないやりとりが、自然というと凡庸だが、あたかも本当に起きていることのように見えるところ。もちろん映画なので、ウソで、作り物なんだけれど、これは、誰もが思う、他人の体験をのぞいてみたいという、少しスケベな好奇心を満たしてくれるものだ。
アイズワイドシャットはしかし、普通の映画なら訪れるであろうサービス的なシーンをことごとくはぐらかされる。そのはぐらかしも、大事な部位を隠すとか飛ばすとかいった打算的なものではない。
この映画はある夫婦の複雑な感情を描いたドラマなどではない。
どちらかといえば恐怖映画だ。しかしキッドマンとクルーズというキューブリックとは縁の無さそうな若い、ポップな俳優を選んだところに、キュウブリックのいたずら心を感じる。

具体的にあげると、
喫茶店に入ってコーヒーを頼む。ほかには?と聞かれていい、と答える。女が伝票を書いて置く。ビルがニックの居場所を尋ねる。自分は医者だということで安心させ、さらに診察結果を知らせたいのだといって連絡先を聞く。

そして聞いたホテルへ行って、フロントの男に話を聞く。
病院へ行って、死んだ女のことを聞く。死体安置室へ行って死体を見る。それを案内する男のなにげない仕草・・・。

屋敷に後日訪ねた後、わざわざ伝言をよこすために車で来る男。
運転手が後ろを振り返ってバックさせる・・・。