2023/10/10

PULP FICTION

1994年、クエンティン・タランティーノ監督・脚本。出演もしている。

当時非常に話題になった。劇場にはいかなかったが、DVDを借りて(もしかしてまだVHSテープだったかも)観た。話題になっているほどいい映画だとは思わなかったような覚えがある。

今回は最初Amazonプライムで見ようとしたのだが視聴期間の制限などがわずらわしいのでBluerayディスクを買った。

今回見返してみて、ややトリッキーであるのと、残酷なシーングロテスクなシーン薬物使用などのシーンが露骨すぎるのが気になりそれは初めて見た時も感じたことだったな、と思った。

特にコカインかヘロインか知らないが、女がオーバードーズして死にかけるシーンなどはただショッキングなだけでそこになんの感動もない。

主人公といえるような人物が何人か登場するが、やっぱりヴィンセント、ジョン・トラボルタがいいと思った。

サタデーナイトフィーバーで有名になった時からは風体もかわり、2枚目のいい男という感じではなくなっていたが、やっぱり話し方や表情は2枚目だった。


ジュールス(サミュエル・L・ジャクソン)が引用するエゼキエル25章17節については、私は読んだはずだがそんなところあったっけと記憶にもないし言ってること自体よく理解できなかったのだが、調べたらほぼでたらめの内容だった。


映画のセリフではなく、聖書の本来の内容を引用する。(25-15~17)


15主なる神はこう言われる、ペリシテびとは恨みをふくんで行動し、心に悪意をもってあだを返し、深い敵意をもって、滅ぼすことをした。 16それゆえ、主なる神はこう言われる、見よ、わたしは手をペリシテびとの上に伸べ、ケレテびとを断ち、海べの残りの者を滅ぼす。 17わたしは怒りに満ちた懲罰をもって、大いなる復讐を彼らになす。わたしが彼らにあだを返す時、彼らはわたしが主であることを知るようになる」。


最初は、特定の民族の名前が入っているから翻訳ではぼかしたのかと思ったがそんなレベルではない。そして、このセリフはタランティーノが好きな千葉真一出演の映画からの引用だそうである。

最後にジュールスがファミレス強盗をしようとした奴にこの句にからめて説教のようなことを言うのだが、その意味が私にはよくわからない。悪いことから足を洗いたいといいたいのか、自分のやっていることは犯罪だが自分なりに信念を持っている、みたいなことなのか、どちらでもないように思う。


ヴィンセントが麻薬を買うシーンは、タクシー・ドライバーでトラビスが銃を買うシーンのパロディーじゃないだろうか?カメラアングル、セリフ等、同じようだった覚えがある。

ブッチ(ブルース・ウィリス)の出てくる話と、ヴィンセントたちの出てくる話のつながりというか、二つの話を並べた必然性というようなものもしっくりこない。

言ってみれば支離滅裂でストーリーや登場人物の行動とか倫理とかそういうものをあえて軽んじた形式を見せる映画なんだろうけど。