2008/01/28

isis



DylanのDesireの2曲目。hurricaneは有名な名曲なのだが、それが終わった後に始まるこの曲も隠れ名曲である。3拍子で、短い詩がたくさん続くdylan得意のパターン。ある女と結婚して別れてまた戻ってくるというような話。古い映画のような、絵が浮かんでくる。あっさりしてて、しずかで、淡々とした感じ。普段の生活にはない、水墨画のような世界。

このアルバムはJacques Levyという人と共作している。たぶん詩の物語っぽいところは彼によるものだと思う。dylanのアルバムは、余計なことをすると嫌うファンが多いようだが、彼はどんなプロデューサーや共演者とやっても常にそれを消化して、節操がないくらいに豹変するところが素晴らしいのだと思う。

高校3年の頃はこのレコードを60分テープに録音したものを死ぬほど聴いていた。マークノップラーがblonde on blondeを1000回だか1万回だか聴いたと語っていたが、私の場合desireがそれにあたる。blondeも結構聴いたが、今はもう聴くと飽きる。desireも一時期そうなっていたが今はまた新鮮に聴くことができる。

2008/01/13

宮本輝 「幻の光」

今朝の朝刊にインタビューが載っていた。そのなかで、「なるべく抽象的に書くようにしている」と書いてあった。持っていた「幻の光」という短編集を読んでみた。表題作のほかに、夜桜、こうもり、寝台車という作品が収められていて、表題作は少し長いので他の3つを読んでみた。不思議な、不気味といってもいい作品ばかりである。「抽象的」というのがどういうことかはまだ掴みきれていないが、わかったことは、オチのある話でも、「いい話」でもない、ストーリーが中心ではないということである。これが小説である。小説と言うのはいったい何がいいたいんだ、という、つかみどころのないものである。


「幻の光」

また自殺の話。くらい話。でもうっとりする。文学とはこういうものである。オチのある話、イイ話、主義主張を述べる話、そういうのではなくて。

2008/01/07

I am Legend

疲れててサウナでも行こうかなと思ってたのだがちょうど上演時間だったのでフラっと入った。単純な話である。少年漫画でやってそうだ。役者も少ない。しょうもない映画だ、といいたくなるところだが、最後に主人公が身を挺してワクチンを守るところでは泣いてしまった。いつもはこういう、テレビでCMやるような映画は見ないんだけど。