新潮文庫
昭和39年8月10日発行
昭和56年4月25日二十八刷
山本周五郎を初めて読んだのは、黒澤明のどですかでんを観て感動し、その原作が山本周五郎の「季節のない街」だというのを知った時だった。
この本を読んだのは、そういえばアレ読みたいなと思ったからなのだがアレというのは季節のない街と青べか物語がごっちゃになっていた。
青べかを読み始めてしばらくして、あれ?あの話がないな、こんな話あったっけ、
と思い、インターネットでしらべて「青べか」と「季節のない街」が別の作品であることを思い出した。
だが、やっぱりこの二つの作品はよく似ていて、どちらも好きだ。
青べかは今回全部読んだが、多分全部読んだのは初めてだ。
物悲しい、憐れというか哀れというか、愚かな人々の、愚かな行動が綴られているが、
人間って、こういうものだったよな、もともと、という感じがした。