2020/06/18

第一部まで 「あれか、これか」4

やっと第一部を読み終わった。

第一部

1.ディアプサルマータ
2.直接的、エロス的な諸段階ーあるいはー音楽的=エロス的なもの
3.古代の悲劇的なものの現代の悲劇的なものへの反射
4.影絵
5.最も不幸な者
6.「初恋」
7.輪作―社会的処世訓の試み
8.誘惑者の日記


なかなか本音を言わない人である。
著者も本人ではなく、それを第三者が編集したとかいう体裁にしている。

おそらく自分の日記や習作的なものを集めているのだろうが、
多少手を加えていると思われる。

特に最後の誘惑者の日記は、キルケゴールというと必ず言及される
レギーネ・オルセンとの婚約とその破棄の顛末のようなものが記されているのだが、
これが楽しみにしていたようなものではなくて、
なぜ彼が彼女に夢中になりそして婚約しそれを破棄したのかということが、
ほとんどわからなかった。

この「日記」はひとつの文学作品として扱われることもあるようだが、
これを読んでなんらかの美しさであるとか感動を覚えることはほとんどなかった。

本当は誘惑者などではなかったのに自分を偽悪的に表現しているものらしいが、
そうだとしても、「コーデリア」に対して、一般的な「愛」というものはあまり感じられない。

ずいぶん時間がかかってしまったが、ようやく第二部に入る。