2010/05/01

A.A.ミルン 「くまのプーさん」

iPhoneでiBooksを入れると、サンプルとして Winnie-the-Pooh がついてくる。
「くまのプーさん」である。

皆さんは、「くまのプーさん」を読んだことがあるだろうか?

私は読んだことがあるどころか、愛読書である。

初めて読んだのは小学校6年のころで、岩波少年文庫で買った。
石井桃子さんの翻訳である。

わたしはとても感動して、「プー横丁にたった家」も買った。
何度も繰り返し読んだ。

そして、学校で好きな本を紹介することになったときに、私は「くまのプーさん」を紹介した。

そのときの教室の空気は今思い出してもぞっとするくらいに、みんな引いていた。
担任の先生すら、引いていた。

「くまのプーさんなんか、幼稚園児が読む絵本だろ・・・」
みたいな声なき声が聞こえた。

しかしそれはディズニーのプーさんしか知らない人の考えだ。
もともとのプーさんは、おもしろおかしいクマの滑稽話などではない。

悲しい話のオンパレードである。

たとえば。

イーヨーというロバがいるのだが、その誕生日にプーとコブタ(Piglet)がプレゼントをすることになった。
プーはハチミツの入ったツボを、コブタは風船をプレゼントに選んだ。


しかし、プーは途中でハチミツを全部なめてしまい、コブタは転んで風船を割ってしまう。

プーは空っぽの壷を、コブタは割れた風船をイーヨーに渡す。

するとイーヨーは、割れた風船を壷に入れ、またそれを出して喜ぶのである。

涙なしに読めるか!?