キルケゴール著作集の3、
第二部(上)
ずいぶん時間がかかった。
寝る前に寝床で少しずつ読んでいたがようやく読み終わった。
「あれか、これか」は、結婚がテーマである。
3/4を読んだので、もうどういう本なのかは大体わかってきた。
結婚について書かれた本と言えば、スウェーデンボルグの「結婚愛」という本を、
読んだことがある。
キルケゴールもスウェーデンボルグもキリスト教徒の立場から結婚を語っている。
スウェーデンボルグは結婚とは男女にとってあるべき神聖な関係、
それによって初めて神が創造した目的を果たす、みたいなものとして語られていた。
「結婚の美学的妥当性」だけを見れば、ほぼ同様の立場であるが、
「あれか、これか」は自由奔放な恋愛を賛美するような部分もあれば、
婚約者をもてあそぶかのような誘惑者の立場からの部分もあり、
総合的には、「私がどうして結婚することをやめたのか」
という弁明となっている。
醒めた目で見れば、何をそんなにクヨクヨ考えているのか、
といいたくなる。
キルケゴールは結局、結婚することが怖かった。
妻を愛しぬくことができるだろうか?
結婚する資格があるか?
みたいなことを、正当化するために、複数の人格を想定して
1人で議論ごっこをした。
みたいなもの。
さあ、最後の一冊。