私は、今思い出すと少し気持ち悪いが、歌謡曲が大好きだった。ザ・ベストテン、ドレミファドン、ヤンヤン歌うスタジオなどを欠かさず見ていた。そして日曜日は朝9時ごろから放送されていたランキング番組、当時は「ベストテン番組」と呼ばれていたが、をずっと聴いていた。
午後1時からは全日本歌謡選抜という文化放送の番組があった。これは生放送でリクエストを受け付け、3時ごろにベストテンが発表される。さすがにそれをずっと聴くことはなく、ベストテン発表のところだけを聴くのである。そしてベストテンはカセットテープに録音し、好きな曲を何度も繰り返し聴いて覚える。
田原俊彦には、期待していた。少年の自分から見てもカッコイイと思った。一見ナヨナヨとしているようだが、自分でも言っていたように「男、田原俊彦」であった。
いかに好きだったかと今になってわかるのが、シングル曲をみなよく覚えていて、とくに発売直後にラジオで聴いて、これはいいだのダメだなどと判定していたことである。
「薔薇薔薇・・・」は、ちょっと大人向けの曲だったかもしれない。
「悲しみ2ヤング」なんかは日本歌謡史上に残る名作だと思う。