日本人でも皆知っているような曲ばかりである。 子供でも知っているような曲もある。
多くのディランファンがこのアルバムの発表に戸惑ったことだろう。 「まあ、たまにはこういうのもいいか。チャリティーだし。」という風に片付けた人が多かっただろう。
しかし私はこのアルバムをそんなふうに、「遊び」で出したアルバムというふうには片付けられなかった。 最近のディランは声があまりに汚く、ほとんどメロディーというものを無視していたが、 このアルバムでは久しぶりに彼がメロディーを歌っているのを聴くことができた。
それから、若い女性、男性のコーラスと競演している。 これも普段はしない事だが、非常によく調和していた。
ボブディランのアルバムのなかで最高傑作を一枚選べというのは愚問であるが、 私はこのアルバムを選ぶことがそれに対する唯一のまともな答えではないかと思う。