BSでソニーのデジタルオーディオ開発秘話のような番組をやっていた。
いろいろな苦労話があったなかで、それまでのアナログレコードとデジタル録音の違いについての話が当然でてきた。
デジタル録音は可聴範囲外の音をカットしてしまう、ということがよく言われるが、
よく考えてみると本当に可聴範囲外なのであればカットしてもわからないはずである。
デジタル録音が開発されたばかりの頃にそれまでのアナログ録音と比較して驚いた人が登場した。
松任谷正隆である。
彼は、今までに聞いたことのないたとえを使った。
「きれいに盛り付けた料理がバラバラになったようだ」
とにかく、アナログのほうがよかった、という点では多くのミュージシャンと共通している。
イアンギランはCD化されたディープパープルのアルバムを聴いて涙を流したそうである。
感動してではなく、あまりにひどい音質だったから。
デジタル録音を聴いて悪い意味で驚いた松任谷正隆は、アナログ録音にこだわることをせず、これが新しい技術なのだからと自分の音作りをデジタルに合うように工夫したそうである。
といっても現在流通しているCDに録音されている音楽はデジタル録音に適したミックスやマスタリングをすることによってよい音質になったというわけではなく、デジタル録音自体が技術的に改善されたそうだ。
松任谷正隆は改善されたCDとアナログレコードを聴き比べて、まったく区別がつかなかったそうだ。
(あるいはCDのほうがよかったといったかもしれないがよく覚えていない)
今私は音楽を聴くときはほとんどがiPhoneでCDからインポートしたものを聴いている。
スピーカーで聴くことはほとんどない。