ジム・ジャームッシュの新作が2013年12月に公開されていたのを、年が明けてから知って見に行った。
有楽町のTOHOシネマズシャンテで見た。
日曜日の14:25からの回だったが、客はけっこう入っていた。6、7割はうまっていただろうか。
吸血鬼の話である。
タンジールの街並みが美しい。
主人公(と私はとらえた)のイヴ(tilda winston)が美しい。
何歳だろう?と思って観終わったあと調べたら50を過ぎていた。
名前はなんとなく聞いたことがあるような気がするが、知らない女優だった。
主人公はおそらくアダムなのだろうが、この人物がちょっと透明すぎた。
アダムとイヴはどちらもものしずかな常識人で、映画は静かに落ち着いて、悪く言えば退屈に進んでいくのだが、妹のエヴァが登場して雰囲気が変わる。
エヴァはまだ子供の無邪気な女の子である。
この3人ともう一人、年老いた吸血鬼が登場するのだが、彼らが吸血鬼であることの描写や説明はほとんど最低限に抑えられている。
血を飲んだ後に口をあけて恍惚の表情になるときに歯が見える。
中盤くらいになって、私はジャームッシュの映画にはあまり急激なストーリー展開などなく、いつのまにか終わってしまうんだろうなと思っていた。
終わって映画館を出るときには駄作だな、と思った。
これは「リミットオブコントロール」の時と同じだ。
でも、吸血鬼がむやみに人に噛み付かず、病院から極秘に血液を譲ってもらってそれを飲んで暮らしている、というのはなかなかおもしろいなと、後から思った。
そういえば、序盤で木製の弾丸を作るのだが、結局最後まで使われることがなかったな・・・・
TOHOシネマズシャンテはちょっと場所がわかりにくくて少し迷った。
いつものことだが、予告が聴覚的にも視覚的にもうるさい。誰が観るか、というような映画ばかり。
それから、あらためて思ったのだがお尻が痛くなる。座っているうちにだんだんずり落ちてきて、姿勢を正すのだが、そのときにお尻が痛い。そして、姿勢を正すときに後ろの人に頭が邪魔じゃないかと気になる。
もう少しスクリーンを上にして、やや前面に傾け、椅子もそれに対応して少し後ろに倒すように設置したらいいんじゃないだろうか。寝転がるのに近い体勢となる。