小説はめっきり読んでいない。
細雪は去年のうちに読んでしまおうと思っていた。
8月に中巻を読み終わって、あとは下巻だけだ、まあ年末までには読めるだろう、
と思っていたが結局読めなかった。
細雪は、あんまりおもしろくない。ときどきおもしろいエピソードが出てくるのだが、
全体的にあまり劇的でないのだ。関西風な、薄味な感じなのだ。
それが谷崎の描きたかった世界なのかもしれないが。
さて、今朝の日経新聞に、江戸川乱歩についての記事が出ていた。
亡くなって50年たつとかなんとか。
私は小学生のとき、少年向けに書き直されたという、江戸川乱歩の少年探偵団シリーズを全部読んだ。
とても面白かったのだが、私にとって江戸川乱歩は漫画やテレビ、つまり、仮面ライダーとか、あしたのジョーとか、宇宙戦艦ヤマトとか、天才バカボンとか、そういう世界と同じようなものだった。
江戸川乱歩は、私にとっては文学ではない。
今朝の新聞記事でも夏目漱石と並べられていたが、だんだん彼の評価が高まっているように感じるが、私は江戸川乱歩はあくまでもエンターテイナーであって芸術家ではないと思っている。
別にエンターテイナーが劣等なわけでも、芸術家が高等なわけでもないが。
しかし、私はここ数年、「高尚と低俗の違いは何か」ということの答えがわかりかけている。
AKB48とベートーベンの何が違うのかということが。
だから、江戸川乱歩と夏目漱石は違う、ということも、私は確信しているのである。
説明するのは難しいが。