2007/10/19

家族ゲーム

当時かなり話題になった映画。当時学園ドラマといって学校生活をドラマにすることがはやっていたのでそのパロディみたいなものなのだろうが、当時はよく理解できなかった。と言っても見たのはテレビ放送で、重要なシーンがカットされていたが。全部見たのは今回が初めてであるが、とてもよかった。受験と学校と家族というもののけだるさ、やりきれなさがよく出ている。あの頃の少年は大部分あんなふうに無気力なものだ。彼の担任役の教師が非常にいい味を出していた。ジャージをだらしなく着て、つまらなそうにしている。加藤善博という人で、ついこないだ亡くなったことを知った。この映画を放送したのはそのためだったのかもしれない。松田優作、伊丹十三。由紀さおりはなんてことのない普通のお母さんを演じているのだが、この透明なキャラクターが例によってこの作品を支える透明だが太い柱となっている。