2007/12/05

J.D. Salinger THE CATCHER IN THE RYE

ふと、サリンジャーの原文が読みたくなって、高校生の頃買ったペーパーバックを開いた。catcherの赤茶色の、carpenterの黄色の表紙は見るだけで当時を思い出してしまう。両方とも1ページも読まなかったのだが、だいぶすんなり読めるようになっていた。しかしぎっしり書いてある。最近読んだり書いたりする文章は短くて、数行ごとに改行されているようなものが多い。文の途中で改行することさえある。仕事の文章と文学とは違うが、それにしても小説というのはこうやってぎっしり書くのが本来の姿である事を再認識した。小説でも、司馬遼太郎なんかは異様に改行と空白が多い。これは読みやすいようで読みにくい。私は司馬遼太郎の作品はほとんど読んでいない。いったん竜馬を読んでみた事があるが一冊目で挫折した。ああいう書き方だと、ページに余計な視覚情報が付加されて、純粋に概念の媒体としての役割を果たさなくなってくるのではないか。