1989年の作品
当時話題になったがそれは「あのビートたけしが映画を撮った」ということからであって、映画そのものがどうこうという話題になり方ではなかった。少なくとも私はそうとらえていた。
興味は湧かず、劇場に行くこともレンタル(当時はまだVHSだったと思う)することもなかった。
その後武は映画を撮り続け、次第に評価が上がっていき、いつの間にか巨匠と呼ばれるような存在になっていった。私がこの映画をようやく観たのはその頃だ。
今回Bluerayディスクを買ってみたが、見るのはその時以来2回目だと思う。断片的にはどこかにアップロードされていたものを時々観ていて、あるいはこの映画に関するコメントだとか誰かが語って(ほめて)いるのを何度も観ている。
武は1947年生まれなのでこの時42歳くらいである。
当時の武をテレビで見ていた私からするともうオジサンであったが、今見ると脂が乗りきっているというか、若いなぁとすら思う。
この映画は武のフライデー襲撃事件があったせいで監督やら脚本やらいろいろ変更されたものだったらしく、純粋な北野映画ではない。
残酷さ、クールさ、説明的な場面やセリフの少なさなどは武らしさもあるのだろうが、初めての映画だから、たぶん誰かしらからかの影響を受けてはいるのではないだろうか。
最近武の映画を続けて観ているのだが、武はどうやって映画の撮り方、演じ方などを学んだのだろうと考えた。
武がどういう人生を送ってきたのかはいろんなところで語られているが映画というものにそれほど熱中していたというようでもなさそうだ。多才でいろんなことに才能がある人ではあるようで、映画もなんでもできてしまったうちの一つなのかもしれないが、それにしては飛びぬけているように思う。