2007/04/10

DEADMAN



ジャームッシュの最高傑作である。今をときめくジョニーデップ主演。
半分くらいはニールヤングのおかげ。ウィリアム・ブレイクを追いかける殺し屋達がすばらしい。もちろんノーバディも。それから途中で出会う人食いらしきやつら。
しかし、実はこの映画のすばらしいところはつまらないくらいに無性格なジョニーデップ扮するウィリアムブレイクなのである。

変人が多く登場するジャームッシュの映画のなかで、これほど常識があって社交性もあってまともな人物は見たことがない。
食人種たちに囲まれた時の受け答えがとてもいい。
「どうして髪の毛がやわらかいのか」「ラッキーなだけだ」
「この帽子をなんと呼ぶのか」「わからない」
「これは何か」「紙でできたバラだ」
など。
質問の内容もおもしろいのだが、それに対して彼らの機嫌を損ねないように必死に丁寧に受け答えする姿。
このビルのまともさが、この不思議な映画を太い柱になって支えているのである。

未確認だが、最後のほうで交易所にいる牧師みたいな店員は、コーヒー&シガレッツで俳優の親戚だとかなんとかいうヤツだね。イギーポップも出てる。
ジョニーザキッドを撃ち殺すときに、馬が1回転しつつfuck me? fuck you!というシーンは、多分偶然回ったのではないかと思う。

それから字が読めない奴が出てくるのがいい。
特に導入部で顔がすすけた奴が話しかけてくるところ・・・
あそこはいい。