2011/05/14

からっ風野郎



ついに見た。
これは三島の原作でもなければ脚本も書いてないし監督もしていない。ただの俳優である。
だからあまり期待していなかったのだがそれはいい意味で裏切られた。

三島はアタマがでかいだの上半身だけだのなんだのと言われていたが、やっぱり身体はたいしたもので、後姿などは絵になる。カツゼツが非常によくて、声も通って聞きやすい。目に光もある。

脇役の船越英二がかっこいい。日本人とは思えない。若尾文子もかわいい。
あとは喘息もちの殺し屋もいい味を出していた。

ロケ地はどこだろう?
ああいう時代もあったのだ。

ストーリーはけっこうピュアというか人情というか男気というかそういうものがあってちょっと感情移入した。
ラストは悲劇的になるだろうとは思ったが、不思議なシーンで、グロテスクですらある。

カタギになることを決めた主人公は子供の服を買ったあとで殺し屋に撃たれて、昇りエスカレーターに倒れる。
必死で降りようとするが力尽き、最後はエスカレーターの上に大の字に倒れて死ぬ・・・。

このシーンを撮影したときに三島はケガをしたそうだ。