グールドを知ったのは、CD屋のバッハコーナーで適当に物色していてジャケットのふんぞり返って座っている写真などを見て、なんとなく買ったのがきっかけだったと思う。それまでは名前を聞いたこともなかった。それは1981年録音のゴールドベルグ変奏曲だった。・・・いや、思い出した、その頃氷を作るときに音楽を聴かせるときれいな結晶ができるということが書いてある本を読んでいる人が常磐線の中にいてそれを背後からのぞいていたら、一番きれいな結晶を作っていたのがゴールドベルグを聴いた結晶で、これはぜひ聴かねばなるまいと思ったのだ。
ゴールドベルグ自体がすばらしいので、それはそれでいろんな奏者のCDを買った。一番いいと思うのはヴァルヒャのハープシコードのやつである。だがグールドの特徴ある弾き方にも感心して、何枚かCDを買った。