2008/03/25

フィツジェラルド 「グレート・ギャツビー」

「グレート・ギャツビー」 The Great Gatsby, 1925 フィツジェラルド著、野崎孝訳 新潮文庫

昨日映画を観て駄作だと思ったのだが原作は村上春樹をはじめとして絶賛されているので読んでみた。
映画と違って小説ではギャツビーは滑稽でもあるが愛すべきかわいそうなヤツとして愛情をもって描かれている。
Greatというのも皮肉ではない。それは太宰が「人間失格」で葉蔵をダメ人間として描きながらも、
神様みたいないい人だったと言わせているのと同じようなものである。
感動はしない。理解しがたい。描写が詳しすぎるというか、おそらく現実のエピソードに近いのであろう。
ただ、私が今まで触れてきた小説や映画などにはない、苦さというか、複雑さというか、現実に近いというか、そういうものは新鮮だった。