私が初めてM-1を観たのは2004年だった。
その年は紳助と松本人志の二人とも審査員を欠席していた。
あれから21年がたったが、その後ほぼ全回M-1は観ている。2015年は観なかった。それ以外は全部観たはず。
松本人志が審査員からいなくなって、番組の魅力はだいぶ落ちたと思っていたが、今回はもうそんなことを忘れるくらい面白い大会だった。
ヤーレンズ、エバース、真空ジェシカ、ヨネダ2000は何度か見ていてどういうコンビかわかっている。
豪快キャプテン、ママタルト、カナメストーンは少しだけ知っている。
たくろう、ドンデコルテ、めぞんは、全く知らない。
エバースか真空ジェシカが優勝するのではと思っていた。
エバースの1本目のネタが始まり、町田が車になるという話を始めた時、私は期待していたのにこれはダメだ、と思った。そのネタを知っていたわけではないが、設定が非現実的すぎて、いくら漫才でも話にひきこまれないだろうと思ったからだ。実際、私はほとんど1本目の彼らのネタを聞いていなかった。
だが、終わってみると審査員には大変好評で、これは優勝かというような高得点がついた。
2番目にでてきためぞんのネタは、私の気に入らなかった。終わってから何度か見直したが、めぞんのネタに対する不満が見るたびに増していった。歌を歌うことも嫌なのだが、それよりも基本的な恋愛相談という設定、それも恋愛を賛美するような内容であることがむずがゆいというか気恥ずかしいというか、私が年をとったせいもあるかもしれないが、漫才ですることではないだろうと感じる。
真空ジェシカも期待しつつ見ていて、まあまあいいと思った。が、ボケが羅列されているだけの感じと、なぜあれをやるのかよくわからない、不気味なモンスターのようなものの登場が余計だと感じた。
たくろうとドンデコルテは面白かった。1回目が終わった時点で、どっちかが優勝するだろうと思った。
たくろうは1本目から大ウケだったが、2本目はさらにそれを上回った。
1本目が大ウケしてさあ優勝だ、というコンビが2回目にコケることがよくある。笑い飯、和牛、さや香、オズワルドなど。ミルクボーイは優勝したが1本目の方がよかった。
しかし今回のたくろうは2本目の方がおもしろかった。もしあれを採点していたら、過去最高点を更新したのではないだろうか。
エバースが町田が車になる話を始めた時に失敗だと思ったのとは逆に、たくろうの最終決戦ではビバリーヒルズの生活のシミュレーションが始まった時に「これはおもしろくなる!」と確信した。
ドンデコルテは面白かったのだが、何度か見返すと、ほとんど一人語りになっているのと、インパクトはあったが何か一つ足りない気がした。よく、「もうひと展開ほしい」ということが言われるが、そうではなくて、むしろ終息していくような感じが欲しいように感じた。