twitterで梶原一騎のbotをfollowした。
梶原一騎節というものはほとんど私の血肉と化していることをあらためて実感した。
何か梶原一騎原作の漫画が読みたいなと、漫画がたくさんおいてある喫茶店に入ると、
「男の星座」があった。
これは昔ちらっと読んだことがあるが、絵も話も気に入らず、すぐやめてしまい、
どんな話だったのかも覚えていない。
最初に、梶原一騎の最後の作品である宣言が書いてあって、へーそうだったのか、と
あらためて読んでみた。
力道山と木村政彦の試合の話から始まる。
金的をけられた力道山が木村をメッタ打ちにして勝ったが、
それを観ていた大山倍達がその場で力道山に試合を申しこんでいて、
その場に梶原一騎もいる。
そんなことがあったのかと、あわてて調べてみたら、全部実話であった。
力道山が木村をメッタ打ちにする映像もyoutubeで観れた。
力道山のことはもちろんしっていたが、木村政彦のことは、聞いたことはあったような気はするが、
戦う姿はもちろん、顔すらも初めて見た。
そして、すっかり感心したというか、いわば、「惚れて」しまった。
なんといういい表情なのだろう。
鮮明な映像はもう柔道をやめてショーとしてのプロレスラーになった以後の、
いわば全盛期をすぎたものしかないのだが、
それでもいい顔をしている。
エラが張って、目尻はさがっている。
いつも穏やかな表情だが、殺気というか迫力というものがみなぎっている。
今はそういう場合「オーラ」という言葉が使われるようになったが、オーラなどという
かわいいものではない。
2011年に「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」という本が出版されてベストセラーになり、
木村政彦の名があらためて知れ渡ったそうだが、私はまったく知らなかった。
今回知ったのも、「男の星座」を通してである。
木村政彦の人生は、晩年はあまり幸福ではなかったようである。
力道山もケンカで刺された傷がもとで死んでいる。
梶原一騎も晩年は悲惨な人生だったと聞いている。
矢吹丈、星飛雄馬、伊達直人もみんな悲劇のヒーローだ。
力道山と木村政彦の試合は、お互いに八百長で合意していたのに力道山が金的蹴りに逆上して本気になったと言われているようだが、
私は、もしかしてあれは木村がワザとやられたのではないかと思った。
力道山の「空手チョップ」なんて、ほんとうは効かないんじゃないか?
木村がたおれて血だまりができた、という話も聞いたが、それもどこかに仕込まれていたニセモノの血じゃないのか?
などと。
木村政彦の数々の伝説を聞くと、それくらいのことは平気でできただろうと思う。