2008/12/06

インランドエインパイア

後半はグダグダでわけがわからなかった。
私はわけがわからない系の映画は嫌いではないのだがちょっと度が過ぎているように感じた。
この映画ではクローズアップが多用されていた。私が何度か指摘しているTVドラマなどの欠点である。
しかし、この映画では不快さは感じなかった。リンチはTV作品も手がけているせいもあるだろうが、彼はクローズアップを便宜上使っているのではなくて好きで使っているのだろう。

前半は、主人公が常識人で周囲の異常な人や状況に対して戸惑い冷静になろうと努めているので、観客は彼女に支えられて異常な世界を眺めていることができる。

しかし、後半は彼女も壊れてしまい、口調も汚くなっていく。そうなるともうついていけなくなる。
3時間という長尺にしたのは、破綻したのもあるし、あえてそういうグダグダをやってみたというのもあるかもしれない。
リンチ程の監督になると、やりたい放題で半分遊びのようなものだったのかもしれない。
何の意味もないことに対して、ああだこうだと意味づけをする観客や評論家を引っ掛けようとしたのではないかとも思える。

私はホラーとかサスペンスとかいうものには全く興味がない。
そしてリンチはそういう作品を撮る人である。
彼の作品で唯一共感できたのはワイルドアットハートである。

それに出ていたローラ・ダーンが主演だったから見れた映画だった。
監督もローラで遊んだだけじゃないのか?
よっぽどお気に入りなんだな。
こういうのはメタ映画っていうのだろうか?
映画を撮っているのを映画にしている、というようなところは。


「ニッキー・グレイス」って、ワイルドアットハートの役名じゃなかったっけ?
違った、セイラーとルーラだった。
でも、なんかきいたことのある名前だな、「ニッキー・グレイス」・・・
まあいいや。

実はこの前にマルホランドドライブも録画していてちょっと見たのだが、そっちは全部見れなかった。

ファミレスみたいなところで、ホモみたいな眉が太くて目が大きい男が夢の話をしていて、それをニュースキャスターみたいな男が聞いている。
その後店をでてその裏口みたいなところへ行くと、猿みたいな気持ち悪い男がでてきて、ホモ野郎が気を失う。
そのシーンを見て、うんざりした。結局そのシーンの意味は最後までわからない。

初めて見たときは感動したオーディションのエロシーンも、あらためて見てみるとそうたいしたものではなかった。